ビジネスを成功に導くためには、明確な目標設定が不可欠です。特にWeb集客においては、どのような指標を基準に進捗を確認し、改善していくのかを定めることが重要です。その際に活用されるのが「KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)」と「KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)」です。
KGIとKPIを正しく設定することで、目標達成に向けた具体的なアクションが明確になり、事業の成長を加速させることができます。
今回の記事では、それぞれの意味や違い、設定するメリット、さらには中小企業における具体例を交えて、詳しく解説していきます。
KGI・KPIとは?それぞれの意味

KGI(重要目標達成指標)とは?
KGIとは、企業やプロジェクトが最終的に達成すべき目標を数値化したものです。言い換えると、ビジネスの成功を測るためのゴールを明確にする指標です。
Web集客におけるKGIの例としては、
- ECサイトの年間売上5000万円を達成する
- 月間契約数を50件に増やす
- 会員登録者数を1年間で1000人増やす
- 自社メディアの月間PV数を1万にする
これは企業の最終目標であり、経営の意思決定に直結する数値指標となります。
KPI(重要業績評価指標)とは?
KPIは、KGIを達成するために設定する中間目標の指標です。つまり、KGIに向かう進捗状況を評価するための指標として活用されます。
ECサイトの年間売上5000万円をKGIとして設定した場合、KPIの例としては以下のようなものが考えられます。
- 月間のサイト訪問者数を3万セッションに増やす
- コンバージョン率(CVR)を3%にする
- 広告のクリック率を10%にする
- メールマガジンの開封率を25%に引き上げる
このように、KPIはKGI達成のためのプロセスを測る指標であり、定期的なチェックを行いながら最終目標への進捗を管理する役割を持ちます。
KGI・KPIの違い

指標 | 意味 | 例 |
---|---|---|
KGI | 最終的な目標(成果指標) | 年間売上5000万円、会員登録者数1000人増加、月間自社メディアPV1万 |
KPI | KGI達成に向けたプロセス指標 | 月間訪問者数3万、CVR3%、メール開封率25% |
KGIは「ゴール」、KPIは「ゴールに到達するためのチェックポイント」と考えるとわかりやすいです。
KPIを適切に設定し、定期的に評価・改善することで、KGIの達成可能性が高まります。

新たにWebサイトやネットショップを構築する場合、「新規売上として年商5000万円を目標にしよう」と漠然と設定するだけでなく、その目標を達成するためにどんな取り組みをして、どんな数値を達成するか、細かく最初に設定しましょう!
最初にKGI・KPIを設定するメリット

1.目標達成の道筋が明確になる
- KGIとKPIを明確にすることで、チーム全体の方向性が統一され、戦略的な行動が可能になります。
2.データに基づいた改善が可能
- KPIをチェックすることで、どの施策が有効かをデータで判断でき、PDCAサイクルを効率的に回せます。
3.無駄な施策を省き、リソースを最適化
- 目標と関係のない施策に時間やコストを費やすことを防げます。
4.社員のモチベーション向上
- 達成すべき数値が明確になることで、スタッフの意識向上やチームの結束力が強まります。
5.外部パートナーとの連携がスムーズになる
- Webマーケティングにおいて、広告代理店やSEO対策業者と連携する際に、KGI・KPIが明確であれば、適切な提案を受けやすくなります。
6.意思決定のスピード向上
- データをもとにした迅速な意思決定が可能になり、競争優位性を高めることができます。
中小企業Webサイト集客におけるKGI・KPIの具体例

【KGIの例】
- 自社ECサイトの年間売上1000万円
- 月間の問い合わせ件数10件
- リピーター率30%達成
- SNSフォロワー1000人獲得
- サイト経由の売上20%増加
【KPIの例】
- 月間サイト訪問者数1000セッション
- サイト滞在時間3分以上
- メールマガジンの開封率20%以上
- SNSフォロワー100人達成
- オーガニック検索流入数の前年比20%増
- LPの直帰率を10%改善
このように、Web集客においては、KGIを最終ゴールとし、その達成のために細分化したKPIを設定しておくことが大切です。

個人事業主・中小企業の経営者が新しくWeb集客をスタートした場合、まずは1・3・5を意識します。
年商1000万、月商100万、月間問い合わせ10件、SNSフォロワー100人、300人、500人、1000人、月間セッション1000、3000、5000、10000といった具合です。
毎月の取り組みと目標達成の数値管理

1. 月次・週次でKPIを確認
毎月のデータを収集し、KPIの進捗状況を確認します。もし目標に届いていない場合は、広告施策やSEO対策の見直しを行います。
2. 改善施策の立案と実施
KPIの数値が低い要因を分析し、改善策を立案します。
例えば、
- コンバージョン率が低い場合 → LPのデザイン改善、CTAの強化
- 訪問者数が少ない場合 → SEO対策、広告投資の増加
- メールマーケティングの開封率が低い場合 → メールタイトルや配信時間の最適化
- SNSのエンゲージメント率が低い場合 → コンテンツの見直しや投稿頻度の最適化
3. PDCAサイクルを回す
計画、実行、分析、改善のサイクルをできるだけ短い期間、最低1ヶ月ごとに取り組むと良いです。
- Plan(計画): KPIの目標を設定
- Do(実行): 施策を実施
- Check(評価): データを分析
- Action(改善): 戦略を調整
まとめ

KGI・KPIの設定は、Web集客を成功させる上で非常に重要なステップです。特に中小企業においては、限られたリソースの中で効率的に成果を出すために、適切なKGI・KPIを設定し、定期的に数値を管理することが求められます。
適切な目標設定を行い、PDCAサイクルを回しながら、継続的に改善を重ねることで、確実な成長を実現しましょう。

販売する商品・サービス、競合の状況にもよりますが、中小企業が初めてWeb集客に取り組み、売上を作る場合は、前述した1・3・5の数値を意識して、以下の目標にすることが多いです。
KGI
ネットから新規で年商1000万
KPI
物販の場合
月間セッション 5000
販売件数 100件
購買率 2%
月商 100万
顧客単価 1万
LINE友だち・SNS(インスタ・Xなど)フォロワー 100人
サービスの場合
月間セッション 1000
問い合わせ 10件
成約 5件
成約率 50%
月商 100万
顧客単価 20万
最初に目標を設定して、エクセルやスプレッドシートに記載して、毎月、数値メモと分析をしながらコツコツ目標達成をしていきましょう!