中小企業や個人事業主にとって、Webサイトは単なる「情報発信の場」ではありません。信頼の構築、ブランドの認知、そして何より集客や問い合わせの獲得など、事業を広げるうえで重要な営業ツールとなります。
しかし、ホームページを作るとき、「どんなレイアウトにすればいいのかわからない」と感じたことはないでしょうか。見た目のデザインはもちろん大切ですが、それ以上に「レイアウトの設計」が訪問者の行動を大きく左右します。
この記事では、Webレイアウトの基本と、特に中小企業におすすめの1カラム構成、そして各パーツの役割や配置の考え方、参考になるWebデザイン集まで、わかりやすくご紹介します。
Webサイトを構成するレイアウト

Webサイトにおける「レイアウト」とは、情報の配置と構造を指します。どの情報をどこに置くか、ユーザーの視線や動線を考えて設計された構成こそが、Webサイトの成果を左右します。
わかりやすく、使いやすく、目的を果たしやすいサイトを作るには、以下の点を意識したレイアウト設計が重要です。
レイアウトが果たす主な役割:
- サイト訪問者が迷わず情報にアクセスできるようにする
- サービスや商品を魅力的に見せ、理解を促す
- CTA(お問い合わせ・購入など)への導線を自然に設ける
- スマホやタブレットなど、複数デバイスでの閲覧に対応する(レスポンシブデザイン)
レイアウトの基本スタイル:

- 1カラム(シングルカラム)
縦1列で構成されるレイアウト。スクロールで情報を順に見せる形式。
→ スマホとの相性が良く、集中して内容を読ませたいサイトに適しています。

- 2カラム
メインコンテンツ+サイドバーの形式。ブログや情報量の多いサイトに多い。
→ 補助情報(関連記事・プロフィール等)を並列に見せたい場合に向いています。

- 3カラム
左右両側にサイドバーを配置。大規模な情報ポータルやECサイトに見られる構成。

当ブログでは、PCは右にサイドバーがある2カラム、スマホは縦にスクロールする1カラムとなっています。
また、2000年代のPC表示メインの時代は左右にサイドバーがあってコンテンツが狭い3カラムが多く見られました。
最近はスマホメインのサイトが多くなり、PCもスマホも1カラムのレイアウトが多い状況です。
サイト構成 シングルカラム・1カラムとは?

「1カラム(シングルカラム)」とは、Webページを左右に分割せず、縦1列の構造で情報を順番に並べるレイアウトです。ブログやランディングページ(LP)などでも多く採用されています。
1カラムレイアウトの特徴:
- サイドバーを持たない、縦スクロール中心の構造
- 文章・画像・CTAなど、1本のストーリーとして流れるように設計できる
- スマートフォンでもそのまま見やすく表示される
- シンプルな構成のため、情報の整理がしやすく、離脱されにくい
1カラムが適しているケース:
- 中小企業・個人事業主のコーポレートサイト
- 飲食店、美容院、クリニックなど地域密着型ビジネス
- リード獲得を目的としたランディングページ(LP)
- モバイルファーストのシンプルな構成を求める場合
1カラムのメリット:
- ストーリー性を持たせた情報展開が可能
- ユーザーの視線移動が少なく、読みやすい
- 縦にスクロールして読ませることで自然なCTA誘導がしやすい
- 表示崩れが起きにくく、保守管理もしやすい
- スマホ・PC問わず、レスポンシブデザインに最適
1カラムの注意点(デメリット)も理解しておきましょう:
- サイドバーに情報を並べて見せたい構成には不向き
- 情報量が多すぎると縦長になり、ユーザーが疲れる
- コンテンツの優先順位づけや導線設計が雑だと、伝わりづらくなる
モバイルファースト 中小企業サイトの1カラムレイアウト

中小企業や個人事業主のWebサイトにおいて、「モバイルファースト(スマホ優先)」で設計することは、今や前提条件ともいえます。スマホでの検索・閲覧が主流になっている現代では、スマホ対応していないだけで「使いにくいサイト」として離脱されてしまうリスクが高いです。
モバイルファースト設計のポイント:
- スマートフォンで見やすい文字サイズ(16px以上が目安)
- ボタンやリンクはタップしやすいサイズで配置(44px以上)
- メニューは折りたたみ式(ハンバーガーメニュー)にして視認性を高める
- 上から順に読む流れで、重要な情報を先に配置する
中小企業サイトがモバイルファーストで得られる効果:
- スマホ検索からの離脱率を下げられる
- ローカルビジネス(飲食・医療・士業など)では、地図や連絡先が即表示される利便性が強み
- ユーザーにとって「わかりやすくて信頼できるサイト」と認識されやすくなる
- Googleのモバイルファーストインデックス(MFI)に対応でき、SEO対策にもなる
1カラムレイアウトとモバイルファーストの相性が良い理由:
- 横幅に制限のあるスマホでは、縦型レイアウトのほうが視認性が高い
- 余計な装飾や情報を削ぎ落とし、必要な情報に集中させやすい
- スクロールだけで読み進められるので、直感的に理解できる
- 「最初に知ってほしい情報 → 詳細説明 → CTA」という流れが自然に作れる
ホームページの基本レイアウト

Webサイトを構築する際に必要となる主なパーツは、「ヘッダー」「ナビゲーション」「コンテンツ」「CTA」「フッター」の5つです。それぞれが明確な役割を持ち、訪問者の行動を支えています。以下に、各パーツの重要性と設計ポイントを掘り下げて解説します。
ヘッダー(最上部)
ヘッダーはサイトを訪れた瞬間に最初に目に入る部分です。そのため、印象づけの役割と、安心感の演出が求められます。
- トップのファーストビューで、ロゴ・イメージ・キャッチコピーを配置し、「どんな会社か」を一目で伝える
- スマートフォンでは電話番号や「お問い合わせ」ボタンを目立つ位置に置く
- 全ページに共通表示されるため、ブランド認知の強化にもつながる
ナビゲーション(グローバルナビゲーション)
ナビゲーションは、ユーザーが必要な情報へたどり着くための案内図です。分かりやすく、シンプルであることが鉄則です。
- トップ、サービス内容、会社概要、料金、アクセスなどを表示
- 項目数は絞って、優先度の高い情報だけにする
- スマホでは「ハンバーガーメニュー」に折りたたむケースが主流
ナビゲーションは「道しるべ」としての役割があるため、迷わせないことが最も重要です。
コンテンツエリア(情報の主役)
コンテンツエリアは、訪問者が最も注目する部分です。商品の紹介、サービスの説明、導入事例やお客様の声など、伝えたい情報を具体的に掲載します。
- 文章は見出しと段落、箇条書きを使い、読みやすく構成
- 写真やアイコン、動画など視覚的要素を活用する
- 長すぎず、でも必要な情報が過不足なくまとまっているのが理想
ここでは、ユーザーが「この会社に頼みたい」と感じるかどうかが決まります。
CTA(Call To Action/行動を促すパーツ)
「問い合わせる」「予約する」「資料請求する」など、訪問者に行動を起こしてもらうためのボタンやリンクです。
- 色、配置、文言などに工夫を凝らす(例:「まずは無料で相談」「30秒で完了」など)
- 複数配置することで、どこにいても次のアクションに移れる
- 押したくなる心理的仕掛け(ベネフィット提示や安心感)を組み込む
CTAは、売上や問い合わせに直結する重要パーツです。
フッター(ページ下部)
フッターは、すべてのページの最後に表示される定番の情報エリアです。軽視されがちですが、信頼性の補強やSEOの観点からも非常に重要です。
- 会社情報(所在地・電話番号・代表者名など)
- プライバシーポリシーや利用規約へのリンク
- SNSアイコンやメールアドレスの記載
- グーグルマップの埋め込みなども有効
また、ユーザーがページの最後まで読んだあとの「次の一手」として、フッターにもう一度CTAを配置しておくのも効果的です。

閲覧者の行動を見ることができるヒートマップを見ていると、当然ですがスクロールが下に行くほど閲覧が減っていきます。
そのため、最初に目にするファーストビューが一番大事で、その後、コンテンツで引き込んで、最終的にCTA(電話メールでのお問い合わせなど)に繋げて、反響を取ります。
わかりやすい入口(ファーストビュー)と出口(CTA)の整備が必要です。
デザイン・レイアウトの参考:Parts. パーツ別Webデザイン集

「自社に合ったホームページって、どんな形がいいのだろう?」と迷ったときは、具体的な事例を見るのが一番の近道です。そんな時におすすめなのが上記のサイトです。
このサイトでは、実際のホームページのパーツごとに、デザインやレイアウトの事例を多数紹介しています。ヘッダーの配置例、ナビゲーションのスタイル、CTAのデザインや文言など、カテゴリごとに整理されていて非常に見やすいのが特徴です。
中小企業にとっては、「ゼロからデザインを考える」のは非常に大変です。Parts. のような実例集を参考にすることで、自社の方向性に合ったイメージを具体化しやすくなります。
まとめ

中小企業が効果的なホームページを作るためには、「見た目のカッコよさ」だけでなく、レイアウトや構成の基本を理解することが欠かせません。訪問者の視線や動線を意識して、迷わず情報にたどりつける設計が、成果に直結します。
特に1カラムレイアウトは、シンプルで扱いやすく、モバイルにも最適な構成です。限られた予算や時間の中でも、効果を出しやすいため、導入しやすい手法といえるでしょう。
Webレイアウトを考えるうえでのポイントは次のとおりです。
- モバイルユーザーを意識した1カラム構成
- パーツごとの役割を明確にした配置
- 実例集(Parts.)などを参考に具体化する
レイアウトの基本を理解していれば、自社にとって最適なWebサイトの形が見えてきます。Web制作会社に依頼する際にも「目的を実現するための相談」ができるようになります。
まずは、今回ご紹介した基本をもとに、あなたのビジネスに最適なホームページづくりに一歩踏み出してみてください。

ブランディングを意識した型にとらわれない斬新なWebサイトも存在しますが、中小企業が反響の取れるWebサイトとするためには、基本レイアウトに沿ったわかりやすく読みやすい構成をオススメします。
まずファーストビューで閲覧者を掴んで、コンテンツで引き込んで、CTAで電話・メールなど最後の行動を明確にしましょう。