今や企業の顔ともいえるWebサイトは、情報発信や集客、ブランディングにおいて欠かせない存在です。特に中小企業や個人事業主にとって、Webサイトは限られた予算でも効果的に顧客とつながる手段となり得ます。しかし、「自社サイトを持ちたいけれど、どうやって作ればいいのか分からない」「更新や管理が大変そう」という声も多く聞かれます。
そのような悩みを解決する手段の一つがCMS(コンテンツマネジメントシステム)の導入です。CMSを使えば、専門的なプログラミングスキルがなくても、自社のWebサイトを簡単に構築し、日々の更新もスムーズに行えるようになります。
なかでも注目すべきは「WordPress」というCMSです。世界中で圧倒的な支持を得ており、日本国内でも多くの中小企業が導入しています。
今回の記事では、CMSとは何かという基礎から、WordPressの特徴と導入のメリット、他のCMSとの違い、そして初心者が導入する際の具体的なステップまでを、分かりやすく解説します。
前回の主なCMSの種類・一覧の記事と合わせてお読みください。
CMSとは

日本語では「コンテンツ管理システム」と訳されます。これは、Webサイト上のテキスト、画像、動画などのコンテンツを一元的に管理・編集できる仕組みを指します。
従来のWebサイト構築では、HTMLやCSSといったプログラミング言語の知識が必要で、専門の制作会社に依頼するのが一般的でした。しかし、CMSを使えば、こうした専門知識がなくても、管理画面を通じて直感的にWebページの作成・編集が可能になります。
CMSの主な特徴は以下の通りです。
- 管理画面で直感的に操作できる
- 複数人での更新作業がしやすい
- デザインとコンテンツの分離により、デザイン変更が簡単
- プラグインなどで機能を拡張できる
WebサイトにおけるCMSのシェア
現在、世界中のWebサイトの40%以上が何らかのCMSを使用して構築されています。企業サイトだけでなく、個人ブログやポートフォリオサイト、オンラインショップ、ニュースメディアなど、さまざまな用途で活用されています。
その中でも圧倒的なシェアを誇るのが、WordPressです。CMS市場の中でも、WordPressのシェアはおよそ60%を占めており、次点のJoomlaやDrupal、Wixなどと比べても群を抜いています。
WordPressとは

2003年に登場して以来、世界中のユーザーから支持され続けています。元々はブログ作成用のプラットフォームとして開発されましたが、現在では企業サイトやECサイト・会員制サイト・ポートフォリオサイトなど、あらゆるタイプのWebサイトに対応できるよう進化しています。
WordPressの大きな特徴は、拡張性の高さとカスタマイズの自由度にあります。
世界中の開発者によって何万種類ものテーマ(デザインテンプレート)やプラグイン(機能追加ツール)が開発されており、自社のニーズに応じて自由に機能を追加したり、デザインを変更したりすることができます。
CMSにおけるWordPressのシェア
最新の統計によると、CMSを使用しているWebサイトのうち、実に60%以上がWordPressを使用しています。これは、世界中のCMSの中で圧倒的な支持を集めていることを意味します。
さらに、WordPressは英語圏だけでなく、日本語を含む多言語に対応しているため、国内企業にとっても導入しやすいという利点があります。日本国内の中小企業や個人事業主の間でも、情報発信やネット集客を目的にWordPressを活用するケースが急増しています。
WordPress導入のメリット
中小企業がCMSを導入するなら、以下の理由からWordPressが最適です。
- 操作性・コスト・拡張性・情報量・サポート体制が優れているため、CMSの中でも、WordPressが中小企業にとって最も導入しやすく、成果を上げやすい。
- 住宅リフォームを手がけるA社は、WordPressを導入して「施工事例ブログ・現場ブログ・お客様の声」を週1回ずつ更新することで、問い合わせ数を増やしました。
- リノベーション・新築注文住宅を手がけるB社では、イベント情報を自社で簡単に更新できるようになり、Web予約率が改善しました。
- このように、少ない予算でも大きな効果を得られる点で、WordPressは中小企業のWeb戦略に最適なツールです。
CMSとWordPressの違い

CMSはWebサイトを簡単に管理できる仕組み全般を指します。一方、WordPressはそのCMSの中の一つであり、最も広く使われています。
他のCMSとの違いを以下にまとめます。
CMS名 | 特徴・メリット | デメリット |
---|---|---|
WordPress | 無料・拡張性が高い・操作が簡単 | セキュリティ対策が必要 |
Drupal | 柔軟なカスタマイズが可能 | 専門知識が必要 |
MovableType | 日本国内のサポートが充実 | 商用利用に費用がかかる場合あり |
特に「導入のしやすさ」「情報量」「コスト面」において、WordPressがもっともバランスのとれたCMSだといえます。

本屋に行ってもWordPressの使い方を解説する本が多く、業者に相談してもWordPressでの制作を提案されることが多いので、事業をされている方であれば、一度は聞いたことがあるでしょう。
簡単にサイトを管理する仕組みがCMSでその中の一つがWordPressですが、多くの中小企業の皆様と対話する中で、CMSという用語より、WordPressという名称の方が広く知られるようになりました。
初心者がWordPressを導入するには

初心者でも安心して導入できるのがWordPressの魅力です。以下のステップを踏めば、自社サイトをスムーズに立ち上げることができます。
1. レンタルサーバーの契約
まずは、WordPressに対応したレンタルサーバーを契約します。国内で人気のあるサーバーとしては、エックスサーバーをオススメします。サーバの管理画面から簡単にWordPressをインストールできる機能があり、初心者にも安心です。
月額1000円ほどでレンタルでき、安定したサーバのため、低コスト・ハイパフォーマンスのサーバです。
2. 独自ドメインの取得
自社のブランドに合った独自ドメインを取得します。たとえば、「example.co.jp」や「yourcompany.com」などです。多くのレンタルサーバーでは、ドメイン取得も同時に申し込むことができます。
初心者の方は、エックスサーバでドメインを取得して、サーバも契約しましょう。
3. WordPressのインストール
サーバ管理画面で「簡単インストール機能」があり、数クリックでWordPressの導入が完了します。複雑な作業は不要で、初めての方でも安心です。
4. テーマの選定とカスタマイズ
WordPressには数万種類の無料・有料テーマがあり、自社の業種や目的に応じて選ぶことができます。例えば、飲食店ならメニュー機能がついたテーマ、不動産業なら物件情報掲載に強いテーマなどがあります。
有料テーマを販売している会社、中小企業向けに独自テーマを開発してご希望に応じてカスタマイズする会社もあります。
5. プラグインの導入
必要な機能を追加するために、プラグインを導入します。代表的なプラグインには、以下のようなものがあります。
- Contact Form 7(お問い合わせフォーム)
- All in One SEO(SEO対策)
- SiteGuard WP Plugin(セキュリティ対策)
6. コンテンツの作成
最後に、会社概要、サービス紹介、実績、よくある質問、お客様の声、基礎知識など、訪問者にとって有益なコンテンツを準備しましょう。内容はできるだけ具体的かつ最新の情報を反映させることで、信頼度と反響を高めることができます。
まとめ

CMSとは、Webサイトを効率よく運用するためのツールであり、その中でもWordPressは最も導入しやすく、管理しやすいCMSです。
特に中小企業や個人事業主にとっては、以下のような点で大きなメリットがあります。
- 無料で始められる
- 誰でも簡単に使える
- 自社で情報発信できる
- 必要な機能を後から追加できる
- サポート情報が豊富
結論として、CMSを導入するならWordPressがオススメです。
これからWebサイトの構築やリニューアルを検討されている方は、ぜひWordPressの導入を視野に入れてみてください。情報発信の強化、見込み客の獲得、ブランディングの構築といった、さまざまな目的に対応できる強力なツールとなるでしょう。

コストをかけずに行うならWordPressの無料のテンプレートやプラグインを導入して、社内更新が可能なサイトができあがります。
知識・技術・経験が不足していて、初期投資をして早く成果を上げたいなら、専門業者に依頼して、売れる構成とコンテンツでデザイン・カスタマイズを行い、必須のプラグインを導入して機能を拡張し、効率的に運用していくと良いでしょう!
多くのWebサイト制作会社が独自テンプレートを構築し、業種に応じたカスタマイズを行い、必要なプラグインをピックアップしています。