坂井 和広 インターネット上での集客がビジネスの成功に不可欠となっている現代、ホームページの存在は欠かせません。とはいえ、「自社サイトを作りたいけれど、専門的な知識がなくて不安」「外注すると高そうだし、更新も面倒そう」という中小企業の経営者や個人事業主の方も多いのではないでしょうか。
そんな悩みを解決する手段として注目されているのが「CMS（コンテンツ マネジメント システム）」です。今回の記事では、CMSの基本的な知識からメリット・デメリット、主な種類やサービス、そして中小企業がCMSを導入する際の選び方まで、わかりやすく解説していきます。
CMSとは？
CMSとは、「Content Management System（コンテンツ マネジメント システム）」の略で、専門的なプログラミングの知識がなくても、Webサイトの作成・更新・管理ができるシステムのことです。
簡単に言えば、文章・画像・デザインなどをテンプレートに沿って入力するだけで、ホームページが作れてしまう便利なツールです。
ブログを書く感覚でWebサイトを作れるのがCMSの大きな魅力です。今では多くの企業がCMSを導入し、業務の効率化と集客の向上を図っています。
WebサイトをCMSで構築するメリット
中小企業にとってCMSの導入は、コスト削減と業務効率化の両面で非常に大きなメリットがあります。
CMSを使ってWebサイトを構築するメリットは以下のとおりです。
- HTMLやCSSなどの専門知識が不要
- 自社でコンテンツの更新・追加が可能
- 外注コストを削減できる
- テンプレートが豊富でデザイン性も高い
- 導入・運用スピードが早く、タイムリーな情報発信が可能
例えば、商品ページの追加やお知らせの更新なども、自社内で完結できます。WordPressやWixといったCMSは、テンプレートも豊富でデザイン性にも優れており、ブランドイメージに合ったサイトが作れます。
このように、CMSは「簡単・低コスト・高機能」を実現する中小企業の強力な武器になります。
WebサイトをCMSで構築するデメリット
ただし、CMSにはメリットだけでなく、注意すべきデメリットもあります。
デメリット
- 高度なカスタマイズには専門知識が必要
- セキュリティ対策を自社で行う必要がある
- テンプレートの制限で独自性に欠けることがある
- プラグインの不具合などでサイトが不安定になるリスク
WordPressは非常に自由度が高い一方で、プラグインやテーマの選び方によってはサイトが重くなったり、セキュリティリスクが増す可能性もあります。
CMSは便利な反面、導入や運用には事前の情報収集と計画が欠かせません。
趣味ブログ、個人飲食店などであればテンプレートからデザインを選んで簡単に情報発信が可能なので、自分で勉強しながらCMSを活用すると制作・更新・管理が楽です。
個人事業主や中小企業が集客として活用するには、CMSを導入した上で、プロに制作・運用を依頼した方が『売れるWebサイト』へ成長させることができます。
CMSの種類
CMSには、大きく分けて主に「オープンソース型」「クラウド型」「商用パッケージ型」の3種類があります。
- オープンソース型：無料で利用でき、カスタマイズ性が高い（例：WordPress）
- クラウド型：サーバー管理不要で初心者向け（例：Wix、Jimdo、ペライチ）
- 商用パッケージ型：企業向けの高機能CMSでサポートも充実、ライセンス料が発生する場合あり（例：MovableType）
中小企業には、導入しやすく管理も簡単なクラウド型か、カスタマイズの幅が広いオープンソース型が人気です。
WordPressはサイトURLであるドメインを取得し、サイトを設置するサーバ契約、WordPressをインストールして設定するという少々、専門的な作業と流れが必要です。
ペライチなどのクラウド型は管理画面にログインして、コードを見ずに直感的な操作が可能なため、初心者にとっては非常に扱いやすいです。
中小企業が利用するCMSサービス一覧
個人事業主・中小企業がWebサイト制作によく利用するCMSをご紹介します。
WordPress 特徴・費用
- 特徴：世界シェアNo.1のCMS。自由度が高く、豊富なプラグイン（拡張機能）とテーマ（デザインテンプレート）により、企業サイトからECサイトまで幅広く対応。
- 費用：基本は無料（オープンソース）。ドメインやサーバー費用が別途必要（年間1万〜3万円程度）。
Wix 特徴・費用
- 特徴：直感的な操作でデザイン性の高いサイトが作成可能。ドラッグ＆ドロップ式で初心者にも最適。
- 費用：無料プランあり。有料プランは月額1,300〜2,700円程度。
Jimdo 特徴・費用
- 特徴：日本語サポートが手厚く、AIが自動でサイトを作ってくれる機能も搭載。
- 費用：無料プランあり。有料プランは月額990〜1,590円程度。
ペライチ 特徴・費用
- 特徴：1ページ完結型のシンプルなサイト（LP）に最適。短時間で公開可能。
- 費用：無料プランあり。有料プランは月額1,465〜6,910円程度。
中小企業サイトに導入するCMSを選ぶポイント
自社に合ったCMSを選ぶことで、効果的なWeb集客が可能になります。
- Webサイトの目的を明確にする（例：情報発信、商品販売、集客など）
- 更新頻度や更新担当者のスキルを考慮する
- デザインの自由度やテンプレートの種類を見る
- コスト・運用体制・長期的な運用を含めてトータルで判断する
例えば、専門知識が不要で管理画面から直感的に操作したいならWixやJimdo、とにかくスピーディに立ち上げたいならペライチ、長期的な事業のWebサイトを作ってコンテンツ更新を頻繁に行いたいならWordPressが向いています。
CMS選びは「何のためにWebサイトを作るのか」を明確にするところから始めることが成功への第一歩です。
まとめ
最近ではAIを活用したWebサイト制作、テキスト準備がこれまでより簡単にできるようになりました。
CMSやAIを活用することで、中小企業でも手軽に、そして効果的にWebサイトを構築・運用することが可能です。
- コストを抑えながら自社で更新できる
- テンプレートデザインやプラグイン（拡張機能）が充実している
- 集客やブランディングにも役立つ
こうしたCMSの利点を活かして、Webサイトを制作し、運用次第で集客・顧客獲得・売上アップも可能です。
「自社サイトを持ちたいけれど、どうすればいいかわからない」と悩んでいるなら、まずはCMSの導入を検討してみてはいかがでしょうか？
Webサイトを簡単に作りたい場合はWixやJimdo、講座やイベントなど1ページのLPを簡単に作りたい場合はペライチがありますが、長期的に事業用のWebサイトを作りたい場合は、WordPressがオススメです。
Webサイト全体の約40%以上、CMS全体の約60%以上を占めるWordPressであれば、ネットや書籍の情報が多くてカスタマイズしやすく、初期制作をある業者に依頼して、もしリニューアルや管理を他社に変更したとしてもほとんどの業者が取り扱い可能なので、長期的な視点で見ても便利なCMSと言えます。
事業規模や目的に応じたCMSをお選びください！
