坂井 和広 近年、インターネットの普及により、企業のマーケティング手法も大きく変化しています。特に中小企業にとって、広告費を抑えながら効果的に見込み客を獲得する手法として「コンテンツマーケティング」が注目されています。しかし、具体的にどのようなものなのか、また、メリットやデメリットは何なのか理解しないままでは、十分に活用することはできません。
今回の記事では、コンテンツマーケティングの基本概念から、メリット・デメリット、さらにはオウンドメディアとの関係について詳しく解説します。
コンテンツマーケティングとは？
価値のある情報（コンテンツ）を提供することで、見込み客を引き寄せ、信頼関係を構築し、最終的に商品やサービスの購入につなげるマーケティング手法です。
従来の広告とは異なり、直接的に商品を売り込むのではなく、顧客に役立つ情報を発信することで、徐々に関心を高めてもらうアプローチを取ります。
例えば、以下のようなコンテンツが挙げられます。
- ブログ記事
- 動画コンテンツ
- メールマガジン
- SNS投稿
- ウェビナー（オンラインセミナー）
- インフォグラフィック（視覚的な情報コンテンツ）
- 紙媒体の会報など
このような情報発信を継続することで、見込み客の興味を引き、商品の購入・サービスの成約につなげることができます。
コンテンツマーケティングのメリット
コンテンツマーケティングには、さまざまなメリットがあります。
1. 広告費を抑えられる
従来の広告と比較して、一度作成したコンテンツは長期間にわたって集客効果を発揮するため、広告費を大幅に削減できます。
2. 見込み客の信頼を獲得できる
有益な情報を提供し続けることで、顧客との信頼関係を築くことができ、購買につながりやすくなります。
3. SEO効果が期待できる
検索エンジンに評価される高品質なコンテンツを作成することで、検索結果の上位に表示されやすくなり、自然検索からの流入を増やすことができます。
4. 長期的な資産になる
コンテンツは一度作成すれば、継続的に顧客を引き寄せる資産となります。
5. 見込み顧客（リード）の育成が可能
コンテンツを通じて、顧客の興味・関心を段階的に深めることができ、最終的に購買意欲を高めることができます。
コンテンツマーケティングのデメリット
一方で、コンテンツマーケティングにはデメリットも存在します。
1. 成果が出るまでに時間がかかる
コンテンツを公開しても、すぐに売上につながるわけではありません。検索エンジンに評価されるまでに時間がかかるため、長期的な視点が求められます。
2. 継続的な運用が必要
一度コンテンツを作成しただけでは効果は限定的です。定期的な更新や新しい情報の追加が求められます。
3. 競争が激しい
多くの企業がコンテンツマーケティングを活用しているため、競争が激化しており、質の高いコンテンツを作成する必要があります。
4. 労力と時間がかかる
コンテンツの企画・制作には時間と労力がかかります。特に専門的な知識を必要とする場合、外部のライターや制作会社に依頼する必要があるかもしれません。
Webマーケティングの成功には継続力は必須です。
ブログ記事を書き続けることにより成果を出しているWebサイトは、以下の取り組みを行って6ヶ月で、様々なキーワードで上位表示を達成しています。
- 5日に1回の新規記事投稿 月6件の投稿
- 5000文字のコンテンツ、10〜20枚のオリジナル写真
- 需要のあるキーワードの選定、タイトル・見出し設定
- 読みやすくわかりやすいページ構成
コンテンツマーケティングを行うと決めたら、どのくらいの頻度で更新するか決定しましょう。
コンテンツマーケティングとコンテンツSEOの違い
コンテンツマーケティングとコンテンツSEO（検索エンジン最適化）は密接に関係していますが、それぞれ異なる概念です。
コンテンツマーケティングは、顧客に価値ある情報を提供し、信頼関係を築くことを目的としたマーケティング手法です。
一方、コンテンツSEOは、検索エンジンで上位表示されるようにコンテンツを最適化する施策のことを指します。
つまり、コンテンツSEOはコンテンツマーケティングの一部として活用される要素の一つです。
オウンドメディアとは？
オウンドメディアとは、自社が所有し、情報発信を行うメディアのことを指します。
具体的には、
- 自社ブログ
- 企業公式サイト
- メールマガジン
- YouTubeチャンネル
などが該当します。
オウンドメディアとコンテンツマーケティングの違い
オウンドメディアは、情報発信の「場」そのものを指しますが、コンテンツマーケティングは、そのオウンドメディアを活用して顧客を育成し、購買につなげる手法です。
独自ドメイン（https://○○.co.jp）を取得した自社サイトをオウンドメディアとして、5日に1回記事を書き続けてコンテンツSEOを行います。
そして、継続的にアクセスを伸ばし、見込み客を育成して成約に繋げることができれば、コンテンツマーケティングが成功したと言えます。
コンテンツマーケティングを成功させるための戦略
1. ペルソナの明確化
ターゲットとなる顧客像（ペルソナ）を詳細に設定し、そのニーズに応じたコンテンツを提供することが重要です。
2. コンテンツの種類を多様化
テキスト記事だけでなく、動画やインフォグラフィック（図表やイラスト）など、複数のフォーマットを活用することで、より多くのユーザーにアプローチできます。
3. SNSの活用
作成したコンテンツをSNSでシェアし、より多くのユーザーにリーチできるようにしましょう。特にXはBtoC向けの趣味コンテンツやYouTubeとの連動や拡散に有効、FacebookはBtoBマーケティングに有効です。
4. 定期的な分析と改善
Googleアナリティクス4などのアクセス解析ツールやヒートマップ分析を活用し、どのコンテンツが成果を上げているのか分析し、改善を繰り返すことが重要です。
コンテンツSEOを効率的に行うには、有料ツールを活用することで、キーワードの選定・競合分析・成果レポートなどを活用してより加速したコンテンツマーケティングが可能となります。
まとめ
コンテンツマーケティングは、広告費を抑えながら長期的に顧客を獲得できる手法として、中小企業にも大きなメリットがあります。しかし、継続的な運用や成果が出るまでに時間がかかるという点には注意が必要です。
適切なターゲット設定、継続的なコンテンツ作成、SEO対策を行いながら、ぜひ自社でコンテンツマーケティングを始めてみてください。また、成功するためにはペルソナの明確化やSNSの活用、定期的な分析を通じた改善が不可欠です。
自社に最適な形でコンテンツマーケティングを取り入れ、持続的な成長を目指しましょう。
PDCAサイクルのPlan（計画）、Do（実行）、Check（評価）、Action（改善）とありますが、ネット上のWebマーケティングはリサーチ（調査）が容易に行えるので、まずはリサーチを入念に行います。
うまくいっている競合の状況を確認、取り組み計画を立てる、計画通りに記事を書く、アクセス解析で数値を分析、過去の記事を書き直して改善し、アクセスアップを図ります。
中小企業にとって、取り組む人の時間に限りがあると思いますので、その中でできる限り取り組んで結果を出すまで、継続することが重要です。
